かくれんぼ教室

保護色

実験

メダカはとても弱い生き物です。弱肉強食ピラミッドの下のほうに位置していますし、泳ぎも得意ではありません。
弱いメダカが身を守る方法の一つに、保護色があります。
次のような実験をしてみます。
  1. 2つの容器に1匹ずつクロメダカを入れる。
  2. 一方は白い紙で、もう一方は黒い紙で覆い、5分間待つ。
  3. 体色を比較する
写真は2のあと同じ容器に移した直後の状態です。上のメダカが白い容器にいたメダカで、下のメダカが黒い容器にいたメダカです。どちらもクロメダカですが、周りの色に合わせて体色を変化させています。このまま同じ条件にしておくと、いずれ体色はほぼ同じ色になります。このように外敵から身を守るため、周りの色に溶け込む色のことを保護色と言います。

理由

クロメダカの色素顕微鏡400倍
メダカの体表には、黒、黄、白、虹色素胞があります。これらの色素の出方によって体色が変化します。
4つの色素のうち光に反応するのは、黒、黄、白です。メダカは目から入ってくる光の量によって色素の大きさを変化させています。光が多いと黒と黄は凝縮、白は拡散し、光が少ないと黒と黄は拡散、白は凝縮します。
また、光の量は背中側から入ってくる直接光と底面からの反射光の比で測られます。つまり、直接光/反射光が大きいときは底面が黒いと判断し、体色が黒くなるよう黒と黄色素を拡散させ、直接光/反射光が小さいときは底面が白いと判断し、体色が白くなるよう黒と黄色素を凝縮させているのです。
写真はクロメダカのウロコです。黒色素、黄色素、(透過光のため褐色に)白色素が写っています。