メダカの内臓

心臓

心臓の役割

血液を体中に循環させるための器官です。ある程度の大きさの動物は、血液を介して細胞の代謝のため酸素を各細胞に送り、老廃物を回収します。
魚類は1心房1心室、両生類・爬虫類は2心房1心室、哺乳類・鳥類は2心房2心室です。魚類、両生類・爬虫類、哺乳類・鳥類と進化したと考えられていますが、進化が進むにつれ心臓の構造も複雑になっています。
メダカは魚類なので、1心房1心室です。全身を回って戻ってきた静脈血は一旦心房に入り、その後心室に入ります。心室からエラへ送られ、エラで酸素を受け取り、全身に送られます。

心臓の発生

受精後2日で心臓の基盤が、頭部と卵黄の間にできます。
3日目には、わずかですが、鼓動を開始します(心臓鼓動の動画 443KB)。
4日目になると、1心房1心室であることがはっきり確認できるようになります(心臓の動画 443KB)。
9日目には、心臓の周りに心嚢が確認できます。

鰓(エラ)

エラの役割

水棲動物の呼吸器官です。櫛状の器官です。血管が多数分布していて、水中の酸素を取り込みます。メダカには左右4枚ずつあります。メダカの場合、排出と浸透圧調節の機能もあります。このため、汽水から海水中でも生きていけます。

エラの発生

受精後5日目には、エラが確認できるようになります。

腸の役割

食物の消化、吸収、排泄を行います。メダカの場合、胃と腸の区別はとても難しいです。
食道から腸へと続き、肝臓付近で蛇行し、肛門へ至ります。

腸の発生

受精後3日目頃に、腸の基盤ができます。受精後5日目にははっきりと確認できるようになります。
7日目にはわずかに蛇行し、長くなってきます。9日目には肝臓付近で蛇行しているのがわかるようになります。

肝臓

肝臓の役割

肝臓には3つの役割があります。
1つめは代謝です。炭水化物、脂質、蛋白質の代謝を行います。また、食物の消化を助ける胆汁も作り出します。
2つ目は生体にとって有毒なアンモニアを無毒な尿素に変換します。
3つ目は解毒作用です。

肝臓の発生

受精後5日目になると、背側から見て左側、胸ビレの付け根あたりに、毛細血管がたくさん集まっていることがわかるようになります。
6日目になると、肝臓がはっきりと確認できるようになります。

胆嚢(たんのう)

胆嚢の役割

肝臓の下側(腹側)にある袋状の器官です。黄色から黄緑色をしています。肝臓で作られた胆汁を蓄え、濃縮する器官です。腸に食物が入ると胆汁を腸へ出します。

胆嚢の発生

受精後7日目になると、肝臓の近くに黄色から黄緑色の胆嚢が確認できるようになります。

脾臓(ひぞう)

脾臓の役割

腸の上側(背側)にある細長い器官です。赤色をしています。脾臓には4つの役割があります。
1つ目はリンパ球を作ることです。リンパ球は白血球の一種です。
2つ目は赤血球を作ることです。赤血球は両面中央がややへこんだ円盤状で核はありません。ヘモグロビンにより赤色をしていて、主に酸素を運搬します。
3つ目は古くなった赤血球、血小板の破壊です。ヘモグロビンも破壊されるので、鉄分の回収も行われます。
4つ目は血液を蓄える機能です。

脾臓の発生

受精後8日目〜9日目に赤い脾臓を確認できるようになります。

腎臓(じんぞう)

腎臓の役割

血液から老廃物や余分な水分を除去する器官です。左右に一つずつあります。エラ付近に前腎、脾臓の上側(背側)に腎臓があります。腎臓の働きにより、生体は体液を一定に保っています。メダカの腎臓は非常に発達しており、汽水や海水中などでは大量の塩分を尿と一緒に排泄します。

腎臓の発生

受精後5日目には腎臓が確認できるようになります。

膵臓(すいぞう)

膵臓の役割

左よりの上腹部にある灰黄色の器官です。消化酵素を含む膵液を分泌し、腸へ送り出します。
魚類以外の膵臓にはランゲルハンス島という球形の細胞の塊があります。魚類のランゲルハンス島は膵臓とは別のところにあります。ランゲルハンス島はホルモン(インスリン、グルカゴン)を血中に分泌する器官です。