ニホンメダカ飼育室

メダカを飼うときの注意点、ポイント、便利グッズなどをご紹介します。

メダカが飼育しやすい理由

メダカはとても飼育が簡単な魚です。その理由は、
などがあります。

容器の種類

水槽、バット、鉢など有害な物質が水中に溶け出さなければ、なんでもかまいません。観察をするのであれば、ガラスやアクリルの水槽がいいでしょう。お勧めはメダカ鉢です。
容器は決して洗剤で洗ってはいけません。どんなによくすすいでも、洗剤が残ってしまいます。お勧めは、洗剤を使わなくても汚れの落ちるスポンジです(最近は100円ショップでも売ってます)。

容器の大きさ

1匹あたり水約1リットルが必要です。また、表面積が1匹あたり50平方メートル以上になるようにします。表面積が少ないと、空気と触れる面が減るため、水中の酸素濃度が低下します。
そして、水面は容器の口より少なくとも5cmは下がるようにします。メダカは意外とジャンプ力があるので、容器から飛び出してしまいます。容器に飛び出し防止の網などを張るのも1つの手です。
以上のことを考えて、飼育個体数にあった容器を選びます。

新しい水にメダカを入れるとき、水槽の水を全部換えるときはカルキ抜きをしましょう。1日天日に干す、カルキが抜けるフィルターを通す、市販の薬を使う方法があります。水槽の一部の水を換える時は、水道水でもかまいません。水道水中には塩素があるため殺菌効果があり、病気予防にはかえってよいという話も聞きます。
また、水が緑になるくらい植物プランクトンがいる方がメダカが丈夫になります。

小石・水草・エアレーション

小石や流木、水草も入れます。小石の間にはいずれ、メダカの糞尿(アンモニア)を分解する微生物(以下「ろ過バクテリア」)が棲みつきます。水草も水質を良くしてくれます。水草がないときは、ゆるくエアレーションしてやります。水草があると昼間は光合成を行うため、水中の酸素濃度の低下を防ぐことができます。しかし、夜間は水草も呼吸するため水中の酸素を消費するので入れすぎには気をつけましょう。水草ではないのですが、お勧めはホテイアオイです。根だけ水中にあるので、水中の酸素濃度が低下する心配もありません。また、ホテイアオイは特にアンモニアの吸収がいいようです。
エアレーションは特になくてもかまいません。するのなら、泡の細かいものがいいでしょう。水槽中の水を掻き回すような激しいエアレーションはメダカにストレスを与えるので控えましょう。エアレーションをしていると、エアーの中でメダカが遊んでいるように見えることがあります。本当に遊んでいるのか、体が痒いのか、寄生虫を落とすためなのかはよくわかりません。
小石とエアレーションのフィルタは水道水で洗わないようにします。これらには、ろ過バクテリアが棲んでいます。このバクテリアは塩素にとても弱いのです。
お勧めのエアレーションは、いぶきエアストーン(楽天内)さんの「エアカーテン」です。水槽の大きさに合わせて4タイプあります。
18φ×300  40cm以上の水槽に
18φ×150  20cm〜30cmの水槽に
23φ×150  20cm〜30cmの水槽に
23φ×100  小型水槽に
23φ×60 コンパクトタイプ
静音設計のエアポンプも合わせてどうぞ。
エアポンプ・チューブなどのセットもあります。
エアカーテン・エアポンプなどのセットもあります。

ヒーター

ニホンメダカの生息温度は0℃〜40℃です。つまり、水面に氷が張っている状況から、真夏の干上がりそうな水溜りまで生きていけます。
つまり、熱帯魚と違って、ヒーターはなくてもかまわないのです。ただ、年中産卵させようと思うと、25℃くらいに保つ必要があるので、ヒーターを入れます。また、水温が下がると、食欲がなくなり、病気がちになります。気になる方はヒーターを入れたほうがいいでしょう。

照明

照明には2つの効果があります。1つは水草の光合成を助け、水中の酸素濃度を上げる効果です。
もう一つは、メダカの産卵です。産卵には栄養、水温、日照が関係しています。14時間以上の日照が必要なので、冬に産卵させたいときは照明をつけます。

餌のやり方

餌は市販の乾燥した魚の餌で十分です。大き過ぎる時は、乳鉢などですりつぶしてください。産卵させるのでなければ、2〜3日に1回、5分ほどで食べ尽くす量をやります。やり過ぎると水質の悪化、早死を招きます。
市販の餌がないときは、ふやパン粉でもかまいません。稚魚の場合はほうれん草などを形がなくなるまで煮て、少量与えるなど口に入る大きさのものを与えます。
産卵させたいときには、毎日5分で食べ尽くす量をやり、栄養をつけさせます。

水換え

一度に水槽の水をすべて換えるのは、メダカにかなりストレスを与えます。また、藻・水草、メダカ、ろ過バクテリアの生態系が水槽に出来上がっている場合は、水をすべて換えると系が壊れることがあります。水質が安定しているときは、毎日水が減った分を足し、2〜3週間に一度、水槽の1/3ほどの水を捨て、新しい水を入れてやります。水槽の水は底に溜まった糞と一緒に吸い出します。普通のホースでもサイフォンの原理を利用すれば水槽の底の水を出すことは可能ですが、水槽掃除用の便利なホースがあります。
また、水槽の水と新しく入れる水の温度を同じにしてから入れ換えます。新しい水が冷たいと風邪をひいたり、熱いとむくんだりし、最悪の場合は死んでしまいます。
水槽の水を出す前に、壁面がコケなどで汚れていたら掃除をするとよく見えるようになります。スポンジやしつこければ定規で擦ってもいいのですが、フロートクリーナーを使うと、水槽に手を突っ込まずにすみます。
新しく水槽を作った場合など、ろ過バクテリアが水槽にいない時は、1〜2週間ほど毎日1/3ほど水換えをします。

新しい水に入れるときの注意点

前述したように、いきなり水温の違う水に入れると体調を壊します。新しい水槽に入れる場合は、メダカのいる容器(水槽から水槽へ移す場合は、メダカを別の容器に入れなおしてから)を水槽に30分浮かべて、水温を同じにします。
30分たったら、水槽の水を少しずつ容器に入れてやります。こうして水質にも徐々に慣らします。最後には水槽に静かに放します。

新しいメダカの仲間への加え方

新しいメダカを買ったり貰ったりしたら、1ヶ月ほど別の容器で飼います。病気を持っていることがあるので、古くからいるメダカと一緒にしない方が得策です。1ヶ月ほどして元気なようなら、前述の方法で水温を揃えてから一緒にしてやります。
あるいは新しいメダカを何日か薬浴させてから混ぜる方法もあります。